ロキュの心の奥底に残る、かすかな思い出から、アルピュは生まれた。
心を持たない自動人形のアルピュ。 魔女を閉ざした呪いの糸車心臓に
母親が最期にくれた懐古人形と
父親が狩りで仕留めた幼い野ウサギと・・・
慌てずにゆっくりと、紡いでできたロキュの化身、アルピュ。
「おはよう、アルピュ・・・」
大きな目玉をクルリとまわして、目覚めたのは、アルピュ。
アルピュは笑わない。
アルピュは怒らない。
アルピュは泣かない。
アルピュは話さない。
だから、アルピュはとっても、とっても、とってもよい子。
だから、アルピュはロキュによってつくられた、自動人形。